『大魔王のつぶやき』
「二千年を打つ会」を終えて
3月21日
広島・戸河内公演からの帰り、僕だけ神戸で下ろしてもらい、淡路まで愛車ハイエースを取りに戻る。
そして島を出発したのが夕方四時過ぎ。
あんまり眠いので西宮名塩で一時間ほど車を止めたがまだ眠かった。足柄まで行ったら風呂に入れると思い、それだけを楽しみに高速を東に走らせる。富士山の麓、足柄サービスエリアでサウナと風呂に入り休憩所で横になったら、意識が遠のきそうになったので慌てて顔をこすって上体を起こした。
外に出ると風もあったがそれほど寒くはなく心地よい。季節は確実に春に向かっているようだ。そこで気を緩めたのがいけなかったのか、「ハックション!」、間一髪おかずに「ウ〜」と唸る僕。
くしゃみをするだけで左脇肋骨に激痛が走る。
今年に入ってから先ず手始めに左肩甲骨下を傷め、続いて左鎖骨関節炎に四十肩、そして左肋骨と、とにかく左に連続総攻撃が加えられている感じだが、とにかく淡路が「終わった〜」とサウナの中でつぶやき、一人お疲れ様会を左肩を揉みながらしたところだった。
「二千年を打つ会」を考え始めたのは一年以上も前のことで、ゆっくりゆっくりと準備をはじめた。
ポスター・チラシのデザインも初めは自分で案を練ったもののうまくいかず、デザイナーの野村高志さんの「餅は餅屋にまかせなさい」というお言葉に甘えてデザインをお願いする。
野村さんは僕の一生に一度の会ということで快く引き受けて下さり、太鼓アイランドメンバーが衣裳として着る記念Tシャツのデザインまでして頂いた。
それから、この機会に思い出に残る太鼓を造りたいという僕の希望を聞いて下さり、島の代表産業の一つ・瓦で太鼓の胴を造ってくださったのが亀井二郎さんだ。オープニング曲『島海道2000』の幕開きにこの淡路瓦太鼓胴は叩かれ、半鐘の音に少し似ていたが半鐘よりも柔らかさのある音で心になじんだ。
これに皮をロープで張った太鼓の方も、最初予想したほどの金属的な音ではなく、木の太鼓に近い高音の響きが残る太鼓に仕上がっていた。これが二千年に誕生した新太鼓『淡路打カーラ』だ(命名も亀井さん)。参加者約六十人が叩く太鼓は、浅野太鼓店、アートウィルをはじめ島内太鼓グループ・美鼓音、生穂第二小学校などの御協力でお借りしたもの。
チケット販売では実行委員会形式をとっていたが、実質は太鼓アイランド淡路参加者の方々の手売りにかかっていて、本番ギリギリまでどうなることか心配したが、フタを開けてみればホール満席(八百席)のお客様を迎えることができた。これも一枚一枚売って下さったメンバーのお陰だ。
実行委員会事務局は、しづかホールのスタッフの皆さんが引き受けて下さり、煩雑なチケット管理作業から舞台設営転換、当日のお客様対応まで骨身を削って下さった。
また、お客様も島内外から本当にたくさん足を運んでいただいた。
※オープニング参加・太鼓アイランド淡路メンバー集合写真(上)と本番を待つステージ(下)どちらも、淡路島・しづかホール舞台にて
多くの方々のご協力のもと、無事終えることができた「二千年を打つ会」は一つの区切りでありました。終わりであり、始まりでもある。あの夜、叩いた、響いた、聞いた太鼓の音を胸の中で鳴らし続けてほしいと願う。
「ウ〜」
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3月26日
皆さんは『コンボイ』というグループを御存知でしょうか?
3月26日(日)14時 青山劇場でザ・コンボイショウVol.18「新・タイムトンネル」の初日を観る。
凄いの一言!とにかくかっこいいのよ、彼らの舞台が!
その彼らが太鼓を叩いている(太鼓指導が東京打撃団で、これは林田の曲を、林田、熊谷、佐藤が主に指導、村山も熱心に稽古場に通い、平沼は総てをとりまとめた。今回は僕が一番何もしていない。稽古場には一回行っただけで、交流会に参加してしゃぶしゃぶを御馳走になった)ので観たんだけど・・・公演時間2時間47分。歌って踊って演奏して芝居して、七人の男が入魂のザッツ・エンターテイメント・ショウ舞台。久しぶりに僕も拍手しました。
何年ぶりだろうこんな気持ちになったのは・・・。コンサート、芝居などを含め、舞台を観て本当に良かったと、拍手をしたくなる作品はそうあるもんじゃない。そんな僕が、コンボイには本気で拍手をしてしまいました。
代表の今村ねずみさんはじめ、メンバーの中心が僕と同年代にもかかわらずこの前向きのパワーはどうだ!七人全員のチャレンジ精神が清々しい。そして笑顔。ニクイ!
新しくて懐かしくて、夢があって思い出がよみがえって、涙と笑いがあって、こんな凄いことをさらりと演ってのける彼らの舞台。
淡路から帰ってからもまだ疲れが抜けきれずに、意識が停滞気味だった僕は、彼らから元気をもらいました。
これはたくさんの人に観て欲しいと思いますが、もう秋までのすべの公演のチケットが完売してるので(いったい何枚あるんだ?全国ツアーのチケットが前売り発売と同時に即完売になるそうです)、これを読んで観たいと思った人も残念ながら、今年のこのショウは、もう見ることができないと思います。
こんなにかっこいい男たちが、太鼓を叩いてしまったら、これまでの太鼓打ちなど全部、ぶっ飛んでしまいます。男が惚れ惚れしてしまう男たちの太鼓、文句なし、です。
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インターネット版 『月刊・打組』2000年 2月号 No.54
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