1997年4月7日
マルセ太郎さんから「今度の新作芝居『花咲く家の物語』の太鼓指導をして欲しい」と分厚く丁寧なお手紙を頂戴したのは、昨年の初夏の頃でした。 当時は、僕が交通事故を起こして(人身事故ではありませんでしたが、義弟からまだ貰ってまもない初代ハイエースを廃車にしてしまった)非常に落ち込んでいた時だったので、その言葉に一縷(いちる)の光を感じたものでした。
僕は彼がどんな太鼓を叩いたかは知りません。 だからそれを指導するなど本当はできません。 寛孝さんは今回生まれて初めて太鼓を触ったそうです。だから僕は僕の太鼓を叩く時のイメージや、叩かれる太鼓の気持ちを少し話しました。
それから1ヶ月が過ぎ、寛孝さんから「通し稽古ができるようになりましたから」と連絡を頂き、狛江市にあるマルセさんのホームグランドとも言える「Beフリー」という小劇場に行ってみました。
でもこれは「太鼓はこんなふうにも叩かれる」という僕たち太鼓打ちへの、マルセ太郎さんからの熱い信号だとも受け取れるのでした。 |
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