満天の星空の下で
2003.8.29
サンリオピューロランド夏祭りの太鼓指導を始めて早三年になる。
屋内式テーマパークにとっては、冷夏に見舞われた今年の夏は幸いだったようだ。外がどんな天候であれ、ここでは常に星空の世界が広がっている。
三年目を迎えた、みこし夏祭り。
今年は『みこし夜祭り』というタイトルになり、少しずつ変化をとげてきている。
今年の太鼓の特徴は、最初に男女二人の寄せ太鼓のシーンが加わったことと、太鼓とソーラン節のシーンで、これまで以上に踊り(振付/新海絵理子)と太鼓がミキシングされたことがあげられる。このシーンは、ダンサーでないと叩けない太鼓になった。
ピューロランドの営業時間が終わった後、実際の舞台「知恵の木ステージ」を使い、稽古が連夜続く。隣の広場では中国大連から来た雑伎団のメンバーが、どこか牧歌的な、しかし緊張感のある稽古を行っている。休憩時間に彼らと短いお喋りをするのも、ここでの僕のささやかな楽しみだ。
新海先生の、アッという間に振り付けられていく稽古を眺めながら、
「僕もここまで踊れればなあ〜」などと呟く。
ダンスをやりたいと言いながらも、いくつかダンススタジオの見学をしただけで、いまだレッスンは受けずじまいでいる僕だ。自分は出来ないけれどやりたかったことの一つ。それがわずかながらでも実現したのが今回の太鼓である。
稽古期間が短かったので、ちょっとまだ不安材料を残したまま、僕の指導日程は終了した。
その後、7月19日の初日の幕が開いてから一ヶ月が過ぎ、本番でお客様とのふれあいでどう成長したのかを見に行った。
驚いたのはお客様の熱気にだった。
それにダンサーたち(彼らが太鼓も叩く)もよく応えている。一回のステージしか見ていないが、先ずは嬉しい気分になった。
ダンサーの皆さんは基本的に明るく、それがいつも眩しい。稽古の時には少し固かった表情も、本番のステージでは変わっていた。
『みこし夜祭り』が終わった後に続く人気イベント『光のパレード』を見ながら、いつまでも僕たちを鼓舞させるこの明るい笑顔を忘れないでほしいとしみじみ思う。
この年になって、キティちゃんが好きになった僕だが、別にキャラクターを買い求めたり、収集している訳ではない。キティちゃんにかかわる沢山のスタッフの、真剣に頑張る姿と笑顔を見てきたので、キティちゃんの姿とそれらの皆さんの姿とが重なって見えるからだ。
アメリカ産のミッキーも嫌いではないが、日本生まれのキティちゃんの頑張りに、これからも応援したい気持ちの一人である。
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