Date: Tue, 18 Mar
2003 13:43:29 +0000
おはようございます。
メールありがとうございます。
そうですね、今、この現状で大きな障害もなくアメリカという国で生活している自分を疑問に感じることもあります。
日常生活で戦争を実感するのは、ガソリンの値段の急騰と、州政府の大幅な予算カット位です。あとは、軍への入隊を促すTV広告が大幅に増えたこと位でしょうか。
日本のTVニュースに比べ、海外の世論が余り報道されないのもアメリカの特徴のように思います。ホワイトハウスの動きと、国内世論ばかりです。
3月の始めに、50人ほどの留学生が、NYに旅行に行ったそうですが、戦争の緊張感などは感じなかったようです。
それでも、ブッシュ大統領の前回の演説は、アメリカ人のホストファミリー宅で見ましたので、(春休の1週間、アメリカ人友人宅に御世話になっておりました)ホストファミリーとは、戦争へ突き進む政府について色々と話しましたが、「テロから国を守る」というブッシュ大統領の大義名分の前に、国民は「ブッシュの持っている情報を信用するしかない」というような反応でした。
勿論、大抵のアメリカ人も「戦争は反対だが、何もしないのはもっと罪である」というような感じで、結局、流れとしては「戦争がはじまるのも仕方が無い」というような感じでしょうか。
アメリカも完全に世代交代してしまっており、ベトナム戦争のベテランなどは、もう世論の表には出てきません。
ですから、戦争当事国になることの事の重大さを、自身のこととして省みることの出来る国民がとても少ないようです。
アメリカ人から尋ねられて、一番返答に窮した質問は・・・
「貴女が今まで世界を旅した中で、アメリカへの憎しみを感じたことはありますか?」というホストファミリーからの質問です。
普通に幸せに暮らしている彼らには、何故、どのようにアメリカが憎まれているのか、理解できないのも当然なのです。
韓国で若者がアメリカの国旗を燃やしている映像を見ても「クレイジーだ!」で終わってしまう。
どうしてそのような行動が出てくるのかまでは、推し量ることが出来ない。
経済的にはアメリカを敵視している国は少ないですから、表立っての憎しみを目の当たりにしたことは無いのです。
でも、私自身の中にもアメリカへの憎しみが存在し、自分でも驚くのですが、その憎しみはとても消しがたいものであるということを、どうしても伝えられませんでした。
祖父がひめゆり隊とともに沖縄で、どのように戦死したかを家族から直接伝え聞いている私が第三世代としてまだまだ、憎しみと悲しみの混ざった感情を少なからず擁いているということから想像すると、現在戦争当事国になっている国の人々の心の中は如何許りかと、計り知れません。
今の私は、戦争を止めるために何が出来るのか、考えつきません。
無力な自分が情けない気もします。
戦争は、全ての信頼感や他への信用を破壊し、憎しみと負の遺産しか残しません。
ベトナム戦争や太平洋戦争のベテラン(傷痍軍人の方々)に、精神的なケアを提供したのが、音楽療法が発展する第一歩だったことを、悲しく思います。また、同じような歴史を繰り返すのでしょうか?
結論から言うと、「大きな声はあげないが、体勢的にはブッシュ支持・・・」というのが、一般的なアメリカ人の反応のようです。
でも、アメリカにも戦地に赴く兵士とその家族が、大きな不安とともに過ごしていることも忘れてはいけないと思います。
今の私達は何をすべきなんでしょうか・・・答えは見えません・・・といっているうちに、闇雲に戦争に突入してしまうのでしょうか?
止め処がないので、この辺でやめておきますね・・・
私の学生生活には、まだ、大きな支障はありません。でも、留学生は自分で自分の身を守るしかありませんから、アメリカ人学生よりは世界情勢に敏感な学生が多いように思います。
それでは、また。
はたまゆみ
MayumiHata355@hotmail.com