- ◎ 夏祭り たたき合い『和太鼓体感音頭 in 新横浜』コンサート
- 体感音頭 横浜初登場
7月28日(土) 夜・7時開演 出演/富田和明+熊谷修宏 共催/スペース・オルタ
入場料/全席自由 前売2,500円(当日2,800円)- 協力/太鼓アイランド青葉 幕デザイン製作・チラシ写真/類 貴保
神奈川県横浜市港北区/スペース・オルタ(オルタナティブ生活館/B1)
- 東京下町・門前仲町から、淡路島、広島と渡って 横浜初登場
新鋭と戯士、二人の太鼓打ちが歌って踊って、語って叩きまくる九十分- 夏の一夜 あなたとあなたの大切な方へ贈る愛の音頭 漕ぎ出す 横浜 音鼓節
- 昨年、東京門仲ホールで開催しました『和太鼓体感音頭2000』の再演版です。
- 今年の三月、淡路島、広島と旅をしてさらにパワーアップ。初めての夏開催、太鼓打ち二人だけのちょっと不思議な和太鼓コンサート。別名、お笑い和太鼓演芸場。会場は再び小さなホールです。まだご覧でない皆様はこの機会をお見逃しなく、また、ヤキソバ中毒症の方もぜひ何度でもお越し下さい。
(問い合わせ・チケットお申し込み)打組 メールでの受付は終了しました ?&Fax 045−913−5582
- スペース・オルタ(オルタナティブ生活館/B1)横浜市港北区新横浜2-8-4 Phone 045-472-6349
- JR新幹線・横浜線・市営地下鉄線「新横浜」駅下車 徒歩6〜7分
- お車の方は、東京ガス隣に100円P有り(30分100円)
前売り予約はすべて終了しました。 当日券は立見のみ若干発行します。 御希望の方は、直接劇場までお越し下さい。
(5月某日某所、打ち合わせにて)
富田:どうも久しぶりです。
熊谷:そうですよね、最近お会いしていないですよね。お元気でしたか?
富田:いや〜、お陰様でね。忙しく過ごしてるンだけど。
熊谷:この頃は、どんな仕事ですか?
富田:この頃はね、こうやってサッと重ねて、スッと糊付け。だいぶ速くなったよ。
熊谷:何ですかそれは?
富田:糊付けなんだから「封筒はり」に決まってるでしょうが。
熊谷:まだそんなことやってンスか?
富田:これ10枚貼って3円だから、もう止めたいんだけど、なかなかすぐにはね・・・、これまでのしがらみとか色々あって・・・。
熊谷:そんなんで仕事になるんですか?
富田:他にも、こういう小さいのを(豆粒サイズを右手の親指と人差し指でつまむように)とって、こうやって置いて、上からガチンと・・・。
熊谷:今度は何ですか?
富田:知らない?釣りのおもりのネーム入れ。「ガマカツ」の文字をこんなちっちゃい鉛のおもりの上に入れるんだよ。これ、作業的には簡単なんだけど、眼が疲れるからね。あんまり長くできないんだよ。でも、一日に千個くらいはやっちゃうからね。
熊谷:富田さんも大変ですね。
富田:熊ちゃんも始めたんだって? 聞いてるよ。
熊谷:何の話ですか?
富田:あれは難しいんだよね。 僕も嫌いじゃないんだけど、どっちかって言うと、好きな方だよ。シュー、シュー、って木の匂いがいいよな。
熊谷:ああ、バチ作りの話ですか?
富田:そんなんじゃないよ。もっと大物だろ? 桐のタンス。タンス作るの習ってるンじゃないの?
熊谷:僕、ダンス習ってるんですけど。
富田:・・・、そうか。太鼓打ちもいろいろやってみないとな、何でも勉強だよ。芸の道は厳しいぞ・・・。
(この後も、打ち合わせは約2時間ほど続いた・・・)
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参考文 月刊・打組 2001年4月号より
新たなる旅路へ 3月18〜20日
あれは四年前の秋。東京は門前仲町のホールを下見した時、「歳末叩き合い」という言葉がフッと浮かび、ここでコンサートをやってみたいと思った。
その年の春に「太鼓アイランド」は産声を上げ、渋谷ジァンジァンでの「富田和明参上 太鼓物語」は第四夜を終え、「兎小舎なにみてたたく」は第九夜を数えていた。「和太鼓体感音頭」が僕の活動の新しいシリーズとして加わったのはそんな時だった。体感音頭コンサートは、今年の12月で五年目を迎える予定だ。最初の三年が佐藤健作とのコンビで、昨年からは熊谷修宏とのコンビがスタートした。
二人、という人数で、太鼓をどこまで叩け楽しめるのか、90分間という時間お客様にどこまで満足いただけるのか、の実験挑戦的コンサートが和太鼓体感音頭だが、まだ地方に旅に出たことはなかった。
じっと待っていても声がかかるほどの高名でもなし、こちらから出かけなくては仕事にはならない。折りよく、淡路島にほどよい広さのホール(キャパが150席弱)を見つけ、自分で主催することにした。それと熊谷の広島後見人とも言うべき三次童心太鼓の磯方さんが、淡路まで来るのだったら、「三次まで来んさい、ワシが準備するけぇ」と誘ってくださり、ここで二つの公演が決まった。
たった二カ所ではあってもツアーはツアーである。
打組が始まって六年、初めての公演ツアーが組めた。参加者は出演者の僕と熊谷、そして照明の村上智子の三人旅。太鼓と道具類は、僕のハイエース一台に全部積み込み出発だ。
公演の準備は、淡路では「太鼓アイランド淡路」、広島・三次では「三次童心太鼓」の皆さんの全面協力で進められ、公演の幕が開く。本当に手作り手弁当でのコンサートがここに誕生した。
僕の専門学院(横浜放送映画)時代、学校の奨学生応募に作文を書いたことがある。「将来どんなことをしたいのか?」というテーマだった。
僕はリヤカーに道具を積んで町から町を歩く移動劇団の話を書いた。あの頃、僕が大まじめに考えて書いたその夢は、当時すでに何処にでもある陳腐な話であることに僕は気が付いていなかった。奨学生審査からも外れた。その野暮なことを、あれからずいぶんと時間がたち、回り道をしながらもやっと自分で求めようとしている、今回の旅はそんな風にも思える。まだ今はリヤカーの旅ではないが、それに近づく第一歩である。
歳末の門仲天井ホールでの公演には、これまでお楽しみゲストと称して二人の太鼓打ち以外にゲストがいた。それが今回の旅ではゲストはなく、完全に二人だけのコンサートとなったことも意味深い(三次ではコンサート終了後のフィナーレに童心太鼓の演奏が一曲あったが)。
四年にしてようやく、ここまで出来るようになった。熊谷とは年齢差22をはじめとする色々なギャップが演目の奥行きを作っているようだし、佐藤健作との三年間がここに生かされていることも間違いない。
二人でしか出来ないことへの追求は、真面目にバカバカしくやりたい。格好をつけるような舞台はできるだけ避け、熱いお笑い和太鼓演芸場を目指したいと思う。
旅をしたと言っても、実は二人の故郷・地元に足を運んだだけのこと。本当の旅を重ねているわけではない。評判の良かった『アフリカン焼きそば』も歌詞が淡路弁と広島弁なのでこれは受けないはずがないのだ。本当の評価がされるのはまだまだ先のことになりそうだけど、それまでこつこつと出前太鼓劇場を続けてゆきたいと思う。この旅の写真はこちらにあります。
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