見本/2015年9月19日号
TMM2020 No.741 2015/9/19(土)
一部、或は全文の転載お断りします/Tomida Kazuaki©
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昨夜の興奮から一夜明け、やっと空は晴れた。
ずっと雨だったからな〜。
午後、今日はあの国会前がどうなっているのかと気になって、
また行ってみる事にした。
空はまだ明るい午後2時半に自宅は出発したけれど、国会前に到着したのは、
日も暮れた午後7時半。5時間かかった。
いつもこのくらいのペースだが、久しぶりの長距離だったので、少々足が疲れた。
今日の議事堂前はガランとしている。
警官の姿もほとんどない。
国会正門の前にも行く事ができる。
歩道のほんの一角だけで、集会のように声を上げている人たちがいたので、
僕もそこに行ってみた。
え〜、途中からいらっしゃった方もいるので、少しまた話をすると、
今日私はこのマイクとスピーカーを持って来ました◎◎と言います。
さっき警官の方からも、あなたが主催者ですか?と尋ねられましたが、私は
このマイクとスピーカーを持ってきただけです。
ここにいるすべての皆さんお一人一人が主催者ということでいいでしょうか?
ありがとうございます。
今日はシールズとか大きな団体の方はいらっしゃっていません。あの皆さんは今朝5時まで
ここで声を上げていたそうです。
私はどこの団体にも所属していません。一人で来ました。
今日はここに集まっている皆さん一人一人の声を聞きたいと思います。
それでいいですね?
皆さん、こんばんは。
先ほど札幌から来ている人がいて驚きましたが、私も昨日札幌から来ました◎◎です。
高校の教員をしています。
昨日あんな戦争法案が通ってしまって、
連休明け学校に帰って生徒たちになんて話をすればいいんでしょうか?
判りません。
政府が憲法を守らなくて、私たちは何を守るのでしょうか?
私には五人の子供がいます。
札幌でもこういう活動をしていまして、子供たちも連れて行きます。
三歳の子供は、朝起きた時に、『戦争法案、反対』『憲法、守れ』と叫びます。
嬉しいような、ちょっと複雑です。
高校で進路指導もしているんですが、近くに自衛隊の基地もあるので、自衛隊に入ると言う生徒もいます。
自衛隊の皆さんには災害が起きた時、本当に感謝しています。
でも災害救助隊と集団的自衛権の武力行使に出かける自衛隊は別物です。
生徒にもそういうんですが、
先生ね、うちの親も自衛隊です。でも親は反対しているんです。
絶対に入るなって、
今度は戦場に行くかもしれないぞって、
でも先生、自衛隊に入ると、学校にも行けるんです。
うちは兄弟も多いんで弟たちの為にも自衛隊に行きたいんです。
僕には行くなと言えません。言えませんが、行ってほしくないんです。
この前、8月に盆踊りが地元であって、その時に(北海道)道議がやって来て
突然櫓の上に上がって叫ぶんです。
皆さん、おめでとうございます。自民党の◎◎ですって。
おかしくないですか?おめでとうございますって、盆踊りですよ?
しばらく叫んだ後、下におりて来たので
僕は聞いたんです。安保法案について。
そしたら、自民党のホームページに書いてあるそのままの事を喋るんです。
だからもうちょっと質問していたら、ムッとされました。
それでも質問を続けると、僕の前にSPがさっと来るんですよ。
僕は一歳の子供を両手で抱っこしているんですよ、この僕が何か危害を加えるとでも思ったんでしょうか?
それでもあまり長い時間質問するのもよくないかなと思って、
今日はお時間を取って頂いてありがとうございました。って言ったんです。
そしたら、
いえ、いいんですけどね、こういう話はお子さんの前でするのはどうかと私は思うんですよ、と。
僕はまた腹が立ってしまいました。
子供の前でできないような話を国会で決めているのか、って。
この子たちに聞かせられないような事を、ここで決めているのか、って。
昨日ここに来て、最終電車で筑波に帰ったんですが、電車に乗っている時も
このプラカード(「9条守れ」)を胸にこう持って座っていて、寝てたんです。疲れて。
そしたら、体を急に揺さぶられて起こされたんです。
パッと目が覚めて、前を見ると、
こんなに大っきな人で、顔が真っ赤になった人が立ってるです。
僕は、これは怒られるのかな、嫌だな恐いなと思っていたら、その人が
僕も同感ですって、僕に握手して来たんです。
それが、すごい力だったんです。
東京に来て良かったと思いました。
八王子から来ました、◎◎と言います。
僕は全盲です。目が見えません。
ここには他に障害を持った方や、車イスで来ている人がいると思います(いるよ!と声)。
何かあった時、真っ先に放り出されるのは私たちだと思います。
今日は弟に連れて来てもらいました。
弟は、こんな集会に来るのは初めてなんです。
月曜日にも来ました。月曜日は兄に連れて来てもらいました。
兄も初めて参加した一人です。
みなさん、私たちの力だけではだめです。
もう一人、もう二人、
ここに一緒に行こうって、誘って下さい。
もっと声を掛けましょう。掛けて下さい。
それから最後にお願いです。
私はパソコンを見たことがありません。インターネットも使えません。
ですから使える方にお願いです。
「賛成議員を落選させる、一般市民の会」
というのを立ち上げて下さい。そこで私の替わりに呼びかけて下さい。
お願いします。
山口県から来ました、◎◎と言います。
私は創価学会に入っていました。35年間。
でもこの戦争法案を公明党が賛成して、私は学会を止めました。
妻は公明党の党員でした。
が、妻も止めました。
聖教新聞も止めました。
「一人一人を大事にする」そう言ってずっと活動して来たのに、この法案は何ですか?
おかしいではありませんか?
でも私は、山口では変人扱いです。安倍さんは総理で絶対権力者です。
すごい人気です。
私の地元で学会のグループでも400人くらいいて、その中で二人しか反対しなかったんです。
だから変人です。
この二人が私と妻です。
でも私は今日、ここに来て、私は変人でないと判りました。
こんなにたくさんの人が、私と同じ考えの人がこんなにたくさんいることが判りました。
ありがとうございました。
どんどん、こんな話が続いていく。
が、
僕の5時間歩いて来た足は限界になった。
止まって立っていることが辛いのだ。
それで、話はもっと聞きたかったが、議事堂前を後にした。
昨晩は何万人という人が怒濤のように渦巻く声の中で叫んでいたが、今晩は静かだ。
人はとっても少なかったけれど、話はゆっくりと聞けた。
僕はこんな話を聞きたくて、ここに来たんだろうと思った。
また時間があれば、ここに来たいと思う。
歩き5時間 28km 体重71.3kg
声上がる 一人一人の 思い溢れ 小さな声が 大きく響く