月刊・打組 2009年 11月号 No.125(11月29日 発行)


 

太鼓打ち富田和明が歩く

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2009 vol.2

阿波國〜土佐國之巻 を歩き終えて

 

2009 vol.1 11/9-11 第一日目から三日目までは、こちらをクリック



第四日目(通算9日目) 11月12日(木)

 

朝ゆっくりするつもりが、初めて陽の光を感じた。

六時前に明るくなってきて、これは寝ていられない。

起床!

 

嬉しくなって、宿を出発。

今回の歩きで、初めての日の出だ。

 

昨日あんなに長く感じた道も、とても短く感じる。

どうして昨日は、あんなに長く感じたのだろう‥‥。

焦れば焦るほど時は長く感じ、のんびりやれば早く感じる。

心の持ち様だ。

 

昨日の登山口前近くの場所から、

室戸岬を堪能するにはもってこいの海岸遊歩道があった。

ありがたいことに整備されているし、風景も絶景。

ここの遊歩道は、へんろ道に入っていませんが、絶対にお薦めします。

 

そこで見た日の出

動画はこちら・その1

 

岬の先端から太平洋と最御崎寺がある山を眺める。

動画はこちら・その2

 

今日はのんびり歩き

 

室戸岬町の喫茶店で、朝食とトイレタイム。

おにぎりのモーニングを食べた。

 

室津港は、江戸明治の時代、捕鯨で栄えたらしい。

 

室戸市街に入って、午前九時前、

二十五番・津照寺(しんしょうじ)に到着。

※二十五番・津照寺

 

 

 

お参りをして、門前のお遍路グッズ店で三本目の杖を購入。

もうこれ以上、忘れないようにしないといけない。

と心に誓う。

一路、金剛頂寺に向かう。

 

 

 

海抜約200メートル、程よい高さの山頂まで続く

金剛頂寺参道

 

 

 

 

山に入ると、

ドングリが落ちる音が心地良い。

 

鳥のさえずりと、木葉の囁きと、陽の光。

 

静かな時間。

 

 

 

午前10時半過ぎ、金剛頂寺(こんごうちょうじ)に着く。

 

捕鯨八千頭精霊供養塔

 

 

※二十六番・金剛頂寺

 

立派な本堂でお参りをして、また山を下りる。

 

 

 

 

山を下りてきた。

 

国道沿い、道の駅キラメッセ室戸で一休み。

ちょっと早いお昼ご飯を食べて、ゆっくりする。

 

お日様は、また隠れたが、雨は降っていない。

 

海は穏やか‥‥。

ここからはまた、太平洋の海岸線を16キロほど歩く。

今日の宿は、奈半利(なはり)に決めた。

また温泉に入れそう。楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

ほとに小さな吉良川町。

ここに立派な町並みが残っていて驚く。

見ごたえがあります。

必ず寄り道して欲しい場所です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ずっと海岸線近くを歩くのかと思っていたらそうではなく、

旧土佐街道だったり、峠の山越だったりで、飽きません。

 

寄り道をしたのと、もうすぐホテルに着くという地点で急に右足が痛くなってきて、

食堂で休み、一生懸命揉んでほぐした。

またもや宿(ホテルなはり)着は夕方五時を過ぎた。

 

今日のお宿は、露天風呂付きの温泉。

 

 

嬉しい。

コイン洗濯機と乾燥機を廻しながら、風呂でゆっくりと足を揉んで時間を過ごす。

 

と、脱衣場で体重計を発見!

嬉しくなって乗っかった。

 

遍路に出てからは酒を飲んでいないし、こんなに毎日一日中歩いてるし、

食べるのも、たいして食べていない。

のだから、これはどれだけ痩せたかなと思って乗っかった。

増えてる。

そんな筈はない。

 

増えてる筈はないでしょ、と、もう一回。

‥‥‥。

何度計っても増えていた。

 

結論。

この体重計は壊れている。きっとそうに違いない。

 

風呂から上がってレストランに入る。

 

ここのレストランのカレーは本格的な味だった。

ビックリして、もう一品うどんを注文したが、このうどんは普通のうどんだった。

 

明日は歩けるところまで高知市に近づいて、今回の富田打ち2009は、打ち止めといたします。

 

 




ロッジ室戸岬を朝六時過ぎ発 ホテルなはりに午後五時過ぎ着


二十五番・津照寺(しんしょうじ) 二十六番・金剛頂寺(こんごうちょうじ)


この日は、ちょっと小休止にした。歩き易い道でゆっくりと行く


歩行参拝十一時間 約28キロ 宿は、ホテルなはり 温泉はお勧め



第五日目(通算10日目) 11月13日(金)

 

四時半、起床。

三本目の杖に、今度こそ無くさないよう、写経をする。

朝5時半に宿を出発。


今日は六時になっても暗かった。

七時前にやっと明るくなった。

 

 

 

 

 

 

足が相当疲れていたので、お寺まで約10キロが3時間かかる。

山道も今日はきつかった。

逆に考えれば、苦しい時でも、ゆっくり歩けば、前には進むということだ。

ありがたいことです。

八時半、神峯寺(こうのみねじ)到着

 

※二十七番・神峯寺

 


只今、山から下りる休憩中。

下りる方が、足にくる。


たらみのミックスゼリーを頂く。

 

 

唐の浜から線路もお友達

 

伊尾木で「讃岐うどん」の看板を見つけて、お昼。

まずまずの味。

 

 

 

安芸市内に入る

 

 

美味しそうな魚が並んでいた

 

 

 

 

安芸は阪神タイガースのキャンプ地としても有名だ。

 

しかし、それ以外に安芸については何も知らなかった。

ただの通りすがりだったが、

この町には力強い文化の香りを感じた。

 

 

 

 

それに浜も美しい!

安芸の浜で、まったりする

 

動画はこちら

 

最後は電車の時刻を気にしつつ歩きました。

 

 

 

午後三時半過ぎ

 

めでたく、高知県安芸市「赤野」で打ち止めました。

とても広い浜が続いています(写真撮ってなくて残念)。

 


本日の歩き遍路は、朝5時半から約十時間。

歩いた距離は約32キロ。

朝起きた時は、右足がかなり痛かったけれど、歩き出せば痛みは、あまり感じなかった。

歩けるもんですね〜。

 


午前午後と、とてものんびりペースで歩いていましたが、

最後の一時間はまた、ほぼ全速力で歩いてしまいました。

懲りない私です。

 


高知市に向かう、JRごめんなはり線(面白い名前でしょ!)の列車の本数がとても少ないので、

それに乗り遅れないか心配で、最後に急いでしまったのです。

 


時間になって、一両編成の電車が可愛く走ってきました。

 

 


天気予報では、雨だったのに、今日は晴れ時々曇りの空で、カッパも脱ぎました。

穏やかな一日となり、最後の一日を楽しみました。

お天道様も、ありがとう!


合掌

 

 

 

 

 

 

 

高知駅前、午後五時半発。徳島行き高速バス

これが本日の最終便

 

 

 

ホテルなはり朝五時半発 午後三時半過ぎJR赤野駅着

二十七番・神峯寺(こうのみねじ)

 

最終日もゆったり歩行。最後の一時間のみ必死?で早足


歩行参拝十時間 約32キロ  赤野駅から高知駅にJRで行き、高速バスで徳島に戻る


 

翌日・番外 11月14日(土) 徳島

 

 

大好きな眉山に登る


 

眉山に登るルートは10ほどあるらしいが、

一番有名な神社からのコースを今日は登る。

 

 

 

 

 

 

 

登り口から30分ほどで神社に到着

 

 

山頂から見る徳島市街

 

 

 

下りは、眉山病院廻りコースで行く。

 

 

 

 

最後は勢見山観音寺に降りて来た。

約二時間の散歩を楽しんでホテルに戻る。

 

お遍路は昨日で区切ったが、今日も外出する時は、

笠を被って、杖をついて歩く。

ないと歩けない。

 

足は両方腫れている。

特に右のくるぶし。

 

足だけではなくて、手も顔も腫れているように思う。

体重もまったく減らなかった。

と、いうか、増えた。

ダイエットで歩いている訳ではないが、不思議です。

 

歩き遍路中の私の食事。

ほとんどが、おにぎりと、うどんと丼物、他には菓子パンと牛乳。

やっぱり増えて当然ですかね。。。

 

しかし、

楽しい五日間でした。

雨が多かったせいか、他のお遍路さんと話すこともなく、地元の方ともほとんど話すことなく、

黙々とお大師様と語り続けた毎日。

 

来年はどこまでお参りできるかな、歩けるかな‥‥。

 

 

 


 

次打(未定) 二十八番・大日寺 から



背負って歩いたリュックの重さは、大体6キロ。+小物入れが1キロで、合計約7キロ


地図参考 へんろみち保存協会 編『四国遍路ひとり歩き同行二人』この一冊でも足りる

『最後まで残った空海の道』実行委員会編・地図

 

参考HP 掬水へんろ館

ここでは遍路にまつわるあらゆる問題について語られています

 

基本的にできるだけ旧へんろ道を歩いた

 

たくさんの遍路道札、道しるべなどに支えられ励まされ、歩くことができました

 

合掌。

 

 



 

四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2008

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四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2009

阿波國〜土佐國之巻 を歩き終えて

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四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2013

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四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2014夏

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四国八十八ヶ寺巡り 歩き遍路 富田打ち 2014秋

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vol.2 10/3-5 第四日目から六日目までは、こちらをクリック 四十四番から五十三番

 

 

富田和明 プロフィール

 

 


七年間を綴る、富田和明的日々是無打噺『2020年日記』
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インターネット版 『月刊・打組』 2009年 11月号 No.125

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